「木曽五木」とは、江戸時代に尾張藩により伐採が禁止された木曽谷の木の中のヒノキ・サワラ・ネズコ・アスナロ・コウヤマキの5種のことです。木曽谷にはこうした良い建築材が豊富だったので、明治36年に皇室の木を管理する目的で庁舎として建てられました。当時帝室林野局は全国で札幌、東京、名古屋,木曽の4箇所でした。木曽支局庁舎は、昭和2年の木曽福島の大火で全焼してしまいましたが、設計から半年間で速やかに再建されました。皇室がどれだけ木曽の材木を大切にしていたかがうかがえると思います。
この度、木曽町が建物の大改修を行い、当時の美しさを再現し生活環境施設として整備されました。一般開放しているので訪問してみました。建物はシンメトリー(対称性)でアールデコ様式の階段手すりやトイレの装飾などがとてもモダンです。支局長室の机や椅子、シャンデリアもすごい豪華。そして当時では考えられない全館暖房まで備わっていたので戦後GHQが使用したそうです。本当にびっくりです。隅々までいろいろな装飾が施されていて圧倒されました。一見の価値ありますので機会がありましたら是非一度訪れてみてください。