2014年11月アーカイブ
名古屋の「みん・みんの会」の方々が味噌の天地返しの作業に来てくださいました。天地返しは夏の一番暑い時期に発酵を促進させるために桶を移し替える作業です。空気と触れることで酵母菌の働きが活発になり大豆タンパクがより分解します。おいしい味噌になるための重要な作業です。暑さの中の重労働の作業なのでとてもありがたい応援です。
みん・みんの会は木曽川流域の上下流交流連携を取り組んでいて「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」を合言葉に名古屋を中心に活動する市民団体です。上下流の交流や連携を広げていく活動の一環で、3年前から木曽に来て大豆を生産して、その大豆を使って当店が味噌を作ることも始めました。その出来た味噌を名古屋などで販売して木曽川流域水源の里基金にしています。それもあって夏の天地返しと自分たちが栽培している大豆の畑作業をしに来るのが恒例行事になっています。
そのみん・みんの会の「見て、聞いて、触れて…感じるバスツアー」に参加しました。木曽川にまつわる様々な場所を見学してきました。その中で岐阜県八百津町にある愛知用水の取水口に行ってきました。愛知用水は干ばつや飲み水の不足に苦しんできた知多半島の水資源を確保するために昭和30年代に造られた用水路です。木曽川から知多半島まで続く全長約110Kmの用水路によって今では豊富な水により農業、工業が発展しています。その愛知用水の水は木曽にある牧尾ダムや味噌川ダムから取っています。
名古屋の水の特徴は「おいしい水」だそうです。木曽川の水質が良好な事によるのだと思います。木曽川の恵みは私達の木曽はもとより岐阜・愛知・三重に渡り約780万人もの人が使っています。木曽川があることによって沢山の営みがあることを再確認することが出来ました。
上流に住んでいるときれいな水や空気というのは当たり前に思えてきますが、改めて水の大切さ、川を大事にすることの意義、そしてその源の山の大切さを思うことが出来た一日でした。
「木曽五木」とは、江戸時代に尾張藩により伐採が禁止された木曽谷の木の中のヒノキ・サワラ・ネズコ・アスナロ・コウヤマキの5種のことです。木曽谷にはこうした良い建築材が豊富だったので、明治36年に皇室の木を管理する目的で庁舎として建てられました。当時帝室林野局は全国で札幌、東京、名古屋,木曽の4箇所でした。木曽支局庁舎は、昭和2年の木曽福島の大火で全焼してしまいましたが、設計から半年間で速やかに再建されました。皇室がどれだけ木曽の材木を大切にしていたかがうかがえると思います。
この度、木曽町が建物の大改修を行い、当時の美しさを再現し生活環境施設として整備されました。一般開放しているので訪問してみました。建物はシンメトリー(対称性)でアールデコ様式の階段手すりやトイレの装飾などがとてもモダンです。支局長室の机や椅子、シャンデリアもすごい豪華。そして当時では考えられない全館暖房まで備わっていたので戦後GHQが使用したそうです。本当にびっくりです。隅々までいろいろな装飾が施されていて圧倒されました。一見の価値ありますので機会がありましたら是非一度訪れてみてください。